AIで資料作成をすると、プレゼン資料の構成案、スライドごとの見出し、本文、図解案、画像案、発表者ノート、レビューまでを短時間で進めやすくなります。ChatGPTで構成や原稿を作り、PowerPointのCopilotやGoogle SlidesのGeminiでスライド化する、といった使い方もできます。
ただし、AIで作った資料は、そのまま完成品として出すより「たたき台」として扱うのが安全です。AIは、事実、数値、引用、画像の意味、社内ルール、ブランド表現を間違えることがあります。特に営業資料、提案書、研修資料、社外向け資料では、人間の確認が欠かせません。
この記事では、AIで資料作成する方法を初心者向けに整理します。構成案、スライド原稿、図解、画像、発表者ノート、レビューまでの流れ、ChatGPT・PowerPoint Copilot・Google Slides Geminiの使い分け、プロンプト例、確認ポイントをまとめます。
この記事の内容は、2026年7月9日時点のOpenAI、Microsoft、Googleの公式情報をもとにしています。AI機能の名称、提供範囲、対応言語、利用できるプラン、組織設定は変わることがあるため、実際に使う前に公式情報を確認してください。
結論:AI資料作成は「構成、原稿、スライド化、画像、レビュー」の順に進める
AIで資料を作るときは、いきなり完成スライドを作らせるより、工程を分けるほうが失敗しにくいです。
おすすめの流れは次の通りです。
- 資料の目的と読者を決める
- AIで構成案を作る
- スライドごとの見出しと本文を作る
- 図解、表、画像、発表者ノートを追加する
- 人間が事実、数字、見た目、トーンを確認する
AIが得意なのは、情報を整理し、見出しや原稿を作り、別の表現に言い換えることです。一方で、事実確認、最終判断、デザインの細部、社外に出せる表現かどうかは人間が見ます。
| 工程 | AIに任せやすいこと | 人間が確認すること |
|---|---|---|
| 構成案 | 章立て、スライド枚数、話の順番 | 目的に合うか、重要な論点が抜けていないか |
| スライド原稿 | 見出し、箇条書き、説明文 | 事実、数値、言いすぎ表現 |
| 図解・表 | 比較表、フロー図、構造整理 | 関係性や分類が正しいか |
| 画像 | イメージ画像、アイコン案、ビジュアル案 | 権利、ブランド、誤解を招かないか |
| レビュー | 読みやすさ、抜け漏れ、想定質問の洗い出し | 最終判断、公開可否、社内承認 |
文章作成の基本は、AI文章作成ツールの使い方 でも解説しています。
AIで資料作成するときに最初に決めること
AIに資料を作らせる前に、次の条件を決めます。
- 資料の目的
- 読む人、聞く人
- 発表時間
- スライド枚数
- 伝えたい結論
- 入れるべき情報
- 入れてはいけない情報
- トーン、ブランド、デザインの方向性
ここが曖昧なままだと、AIはそれらしい一般論の資料を作りがちです。特に「誰に何を決めてもらう資料なのか」を先に決めると、構成が安定します。
資料の目的:
新しい予約システム導入の承認をもらう
対象:
店舗運営責任者と経営層
発表時間:
10分
スライド枚数:
8枚
伝えたい結論:
予約管理の手作業を減らすため、来月から新システムを試験導入したい
必ず入れる内容:
- 現状の課題
- 導入メリット
- 費用感
- 導入スケジュール
- リスクと対策
避けたいこと:
- 効果を断定しすぎない
- 未確認の数値を入れない
プロンプトの基本は、プロンプトの書き方 でもまとめています。
AI資料作成ツールの使い分け
資料作成では、ひとつのAIだけで完結させる必要はありません。用途に合わせて使い分けると効率が上がります。
| ツール | 向いていること | 注意点 |
|---|---|---|
| ChatGPT | 構成案、スライド原稿、レビュー、想定質問の作成 | PowerPoint化やデザイン反映は環境によって使い方が変わる |
| ChatGPT for PowerPoint | PowerPoint内で資料の作成、編集、理解、改善を進める | 利用できるワークスペースや条件を公式情報で確認する |
| Copilot in PowerPoint | プロンプトやファイルからPowerPoint資料のたたき台を作る | Microsoft 365の契約や組織設定に左右される |
| Gemini in Google Slides | Google Slides上でスライド、画像、要約、文章の作成を行う | 対応プラン、言語、機能提供範囲を確認する |
| 専用の資料作成AI | 短時間で見た目のよいスライド案を作る | 編集しやすさ、商用利用、出力形式、ブランド反映を確認する |
OpenAIの公式ヘルプでは、ChatGPT for PowerPointはPowerPointのサイドバーで資料の作成、編集、理解、改善を支援し、編集可能なスライド構造を保つと説明されています。Microsoftの公式ヘルプでは、Copilot in PowerPointはプロンプトや参照ファイルからプレゼン資料の下書きを作成できるとされています。Googleの公式ヘルプでは、Gemini in Slidesで新しいスライド、画像、要約、文章作成、Driveファイル参照などができると案内されています。
主要AIの選び方は、生成AIツール比較 も参考になります。
構成案を作るプロンプト例
資料作成では、最初に構成案を作ります。いきなりスライド本文を書かせるより、全体の流れを先に確認するほうが修正しやすいです。
あなたはプレゼン資料の編集者です。
次の条件で、スライド構成案を作ってください。
資料の目的:
新しい予約システム導入の承認をもらう
対象:
店舗運営責任者と経営層
発表時間:
10分
スライド枚数:
8枚
入れたい内容:
- 現状の課題
- 手作業によるミス
- 導入メリット
- 費用感
- 導入スケジュール
- リスクと対策
- 次に決めてほしいこと
条件:
- 1枚目は結論が分かるタイトルにする
- 各スライドに「目的」と「入れる要点」を書く
- 未確認の数値は作らない
- 経営層が判断しやすい順番にする
AIが出した構成案を見て、目的に合っていないスライド、不要なスライド、足りないスライドを調整します。
スライド原稿を作るプロンプト例
構成が決まったら、1枚ずつスライド原稿にします。
次のスライド構成をもとに、スライド本文を作ってください。
スライド番号:
3
スライドの目的:
現状の予約管理で起きている課題を説明する
入れる要点:
- 電話、メール、紙メモで予約情報が分散している
- 予約変更の反映漏れが起きやすい
- 確認作業に時間がかかっている
出力形式:
- スライドタイトル
- 本文の箇条書き 3個
- 発表者ノート 300字以内
条件:
- 1つの箇条書きは30字以内
- 読み上げ原稿のように長くしない
- 課題を責める表現にしない
- 数値は作らない
スライドは、文章を詰め込みすぎると読みにくくなります。本文は短く、詳しい説明は発表者ノートに分けると扱いやすいです。
図解や表を作るプロンプト例
AIは、文章を図解や表に変える作業にも向いています。資料では、長い説明をそのまま載せるより、比較表、流れ、関係図にすると伝わりやすくなります。
次の内容を、プレゼン資料に入れる図解案にしてください。
内容:
予約情報が電話、メール、紙メモに分散しているため、
確認作業に時間がかかり、変更漏れが起きやすい。
予約システムを導入すると、予約情報を一元管理できる。
出力形式:
1. 図解タイトル
2. 図解の種類
- 比較表
- Before/After
- フロー図
- 3ステップ図
3. 図に入れる文言
4. スライド上の配置案
条件:
- 文字量を少なくする
- BeforeとAfterの違いが一目で分かるようにする
- 誇張した効果は書かない
図解案が出たら、そのまま貼るのではなく、PowerPointやGoogle Slides上で見やすく整えます。
画像やビジュアルをAIで作るときの注意点
資料に入れる画像は、雰囲気作りには便利ですが、内容を誤解させる画像は避けます。
Google SlidesのGeminiでは、SlidesやVids内で画像生成・編集ができます。Google公式ヘルプでは、画像生成のプロンプトには、被写体、場所、背景、素材、構図などを入れるとよいと案内されています。Microsoft 365 Copilotでは、AI生成画像にContent Credentialsのような来歴情報を付けて識別しやすくする仕組みも案内されています。
画像生成を使うときは、次を確認します。
- 実在の人物や企業を誤認させないか
- 医療、法律、金融などの専門判断に見えないか
- 商品写真や実績写真のように見えて誤解を招かないか
- 社内ルールや商用利用条件に合っているか
- スライドの内容を補助しているか
Canva AIや画像生成AIの詳しい使い方は、今後 `canva-ai-how-to-use` や `ai-image-generation-tools` で別に扱う予定です。
PowerPointやGoogle SlidesでAIを使う流れ
PowerPointやGoogle Slidesを普段使っているなら、AIをスライド編集画面の中で使うと効率的です。
PowerPoint Copilotを使う場合
Copilot in PowerPointでは、新しい資料をプロンプトから作る、Word文書などの参照ファイルから資料を作る、作成後に追加・削除・編集する、といった流れが使えます。Microsoft公式ヘルプでは、Word文書の構造をスタイルで整理しておくと、Copilotが資料化しやすくなることも案内されています。
使う前に確認したいことは次の通りです。
- Microsoft 365 Copilotが契約や組織設定で使えるか
- 参照ファイルへのアクセス権があるか
- 会社のテンプレートを使うか
- AI生成内容を人間がレビューする前提になっているか
Microsoft Copilotの基本は、Copilotの使い方 でも解説しています。
Google Slides Geminiを使う場合
Gemini in Google Slidesでは、新しいスライドやプレゼン資料の生成、画像生成、既存資料の要約、Driveファイルを参照したコンテンツ作成などができます。Google公式ヘルプでは、プレゼン資料生成はトピックや目的、参照ファイルをもとに、編集可能な資料を作成できると案内されています。
使う前に確認したいことは次の通りです。
- Google WorkspaceまたはGoogle AIの対象プランか
- 機能が自分の言語や環境で使えるか
- Driveファイルを参照してよいか
- 生成内容に機密情報が含まれていないか
AIで作った資料のレビュー方法
AIで資料を作ったら、最後にレビューします。AIにレビューさせる場合も、人間の確認を前提にします。
次のプレゼン資料の構成と原稿をレビューしてください。
目的:
新しい予約システム導入の承認をもらう
対象:
店舗運営責任者と経営層
確認してほしいこと:
- 結論が最初に伝わるか
- 判断に必要な情報が足りているか
- スライドの順番が自然か
- 数値や効果を断定しすぎていないか
- 想定質問は何か
- 削ったほうがよいスライドはあるか
出力形式:
- 良い点
- 修正したほうがよい点
- 追加したほうがよいスライド
- 想定質問と回答案
レビューでは、特に次を見ます。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 目的 | 読む人に何をしてほしいか分かるか |
| 構成 | 結論、根拠、具体策、次の行動がつながっているか |
| 事実 | 数値、引用、日付、名称が正しいか |
| 表現 | 言いすぎ、断定、誤解を招く表現がないか |
| デザイン | 文字が多すぎないか、図表が読めるか |
| 共有範囲 | 社外秘、個人情報、未公開情報が入っていないか |
機密情報を扱う場合は、生成AIの注意点 も確認してください。
会議メモから資料を作る場合
会議メモや議事録をもとに資料を作る場合は、AIに「何のための資料に変えるか」を指定します。
次の会議メモをもとに、社内共有用のプレゼン資料構成を作ってください。
資料の目的:
会議で決まった方針と次のアクションを共有する
対象:
プロジェクトメンバーと上長
スライド枚数:
6枚
出力形式:
- スライドタイトル
- 各スライドの要点
- 入れるべき表や図
- 発表者ノートの要点
条件:
- 会議で決まっていないことは決定事項にしない
- 担当者と期限が不明なタスクは「要確認」と書く
- 重要なリスクを1枚入れる
会議メモ:
[ここに議事録やメモを貼る]
AI議事録の作り方は、AI議事録の作り方 で詳しく扱っています。
よくある質問
AIだけでプレゼン資料を完成できますか?
たたき台までは作れますが、完成前に人間の確認が必要です。特に、事実、数値、引用、権利、ブランド表現、社外に出してよい情報かどうかは必ず確認します。
PowerPointを使うならCopilotがよいですか?
PowerPointを日常的に使い、Microsoft 365 Copilotが使える環境なら相性がよいです。既存のWord文書や会社テンプレートから資料化したい場合も便利です。ただし、契約や組織設定によって使える機能は変わります。
Google Slidesを使うならGeminiがよいですか?
Google Slides中心で作業しているなら、Gemini in Slidesは候補になります。スライド生成、画像生成、要約、Driveファイル参照などをSlides内で使えます。ただし、対象プラン、対応言語、機能提供状況を確認してください。
ChatGPTだけでも資料作成できますか?
構成案、スライド原稿、発表者ノート、レビュー、想定質問の作成には使えます。PowerPoint内で直接編集する場合は、ChatGPT for PowerPointなど、利用できる環境を確認します。
AIで作った画像を資料に使ってもよいですか?
使える場合もありますが、商用利用、社内ルール、生成物の権利、実在人物や企業の扱い、誤認リスクを確認します。画像が資料の主張を誤解させないかも見ます。
まとめ
AI資料作成は、資料作りの時間を短縮できる便利な使い方です。大事なのは、AIに完成品を丸投げするのではなく、目的整理、構成案、スライド原稿、図解・画像、レビューに分けて使うことです。
まずは、次の流れで始めるのがおすすめです。
- 資料の目的、読者、発表時間、結論を決める
- AIで構成案を作る
- 1枚ずつスライド原稿と発表者ノートを作る
- 図解や表で分かりやすく整理する
- 事実、数値、権利、機密情報を人間が確認する
ChatGPT、Copilot in PowerPoint、Gemini in Google Slidesなどを使えば、ゼロから考える時間を減らせます。最後は自分の目的、聞き手、事実関係に合わせて編集し、伝わる資料に仕上げましょう。