AI動画プロンプトは、静止画の説明に「動く」と足すだけでは不十分です。1ショットの目的を決め、主題、動き、環境、カメラ、時間の順に書くと、比較と修正がしやすくなります。
1つの短い動画に場面転換、複数人物、複雑な物理、文字表示を詰め込むほど、意図しない結果が増えます。最初は1ショット・1主題・1カメラ動作へ絞ります。
この記事では、5要素テンプレート、カメラ指示の比較、storyboard、失敗修正表を紹介します。
情報確認日:2026年7月17日(日本時間)
結論:1ショットを5要素で書く
主題:
何が中心か。外見、数、位置。
動き:
主題が何を、どの方向へ、どの速さで行うか。
環境:
場所、背景、天候、照明、雰囲気。
カメラ:
画角、距離、角度、移動、焦点。
時間:
開始状態 → 中間の変化 → 終了状態。
例として「朝の作業机」を動画にします。
木製の机に置かれた白いマグカップが主題。
窓から朝の光が差し、湯気がゆっくり上へ流れる。
カメラは机と同じ高さのミディアムショット。
3秒かけてマグカップへ緩やかにドリーインする。
開始時は机全体が見え、終了時はカップと湯気が画面中央を占める。
落ち着いた自然な動き。文字、ロゴ、人物は入れない。
主題と目的を1つに絞る
まず「このショットで視聴者に何を見せるか」を1文にします。商品の質感、人物の表情、場所の広さなど、主目的は1つです。
| 曖昧 | 具体的 |
|---|---|
| 美しい街 | 雨上がりの石畳が続く小さな商店街 |
| 女性が歩く | 青いコートの成人女性が画面奥から手前へゆっくり歩く |
| かっこいい商品動画 | 黒い腕時計の金属表面へ光が横切り質感を見せる |
動きを方向・速度・変化で書く
「激しく動く」ではなく、誰が、どこからどこへ、何秒程度で、何が変わるかを書きます。
- 方向:左から右、奥から手前、時計回り
- 速度:ゆっくり、一定、徐々に加速
- 範囲:手だけ、人物全体、背景全体
- 開始・終了:座っている状態から立つ
- 連続性:途中で主題や服装を変えない
カメラ指示を使い分ける
| 指示 | 見え方 | prompt例 |
|---|---|---|
| 固定 | 観察しやすく安定 | locked-off camera, no camera movement |
| Pan | カメラ位置を固定し左右へ向きを変える | slow pan from left to right |
| Dolly in | カメラ自体が主題へ近づき立体感が出る | gentle dolly in toward the cup |
| Zoom in | 位置を変えず画角を狭める | slow optical zoom in |
| Arc shot | 主題の周囲を円弧状に移動する | smooth arc shot around the watch |
DollyとZoomは同じ「寄る」でも遠近感が異なります。1ショットに複数のカメラ動作を詰めず、最初は1つだけ指定します。
時間を開始・中間・終了で設計する
| 時間 | 画面 | 動き |
|---|---|---|
| 0秒 | 机全体とカップ | カメラ停止 |
| 1〜2秒 | カップが中央へ近づく | 緩やかなdolly in |
| 3秒 | カップと湯気の近景 | 移動を止める |
Storyboardを使えるツールでは、時間上の位置へ別々の指示や画像を置けます。長い1文で場面転換を表すより、ショットごとに分けて後から編集する方が制御しやすくなります。
制約は観察できる言葉で書く
否定語を大量に並べるのではなく、守りたい構図や変えてほしくない要素を具体的にします。
制約:
- 1人だけを映す
- 顔、服、髪型をショット中に維持する
- カメラは水平を保つ
- 背景の看板に文字を生成しない
- 急なカットや速度変化を入れない
1ショット設計テンプレート
目的:
このショットで見せたいことを1文で。
主題:
数、外見、位置、向き。
行動:
開始状態、方向、速度、終了状態。
環境:
場所、時間帯、天候、光、背景。
カメラ:
shot size、角度、動き、焦点。
時間:
0秒:
中間:
終了:
視覚スタイル:
色、質感、コントラスト、現実感。
維持条件:
変えてほしくない要素。
除外:
不要な文字、ロゴ、人物、急なカット。
失敗したときの修正表
| 失敗 | 原因候補 | 修正 |
|---|---|---|
| 主題が変形する | 動き・人数・時間が複雑 | 1人・1動作にし、短く分割 |
| カメラが暴れる | 複数動作や曖昧な「dynamic」 | 固定または1カメラ動作へ限定 |
| 開始と終了がつながらない | 中間状態がない | 3段階のstoryboardを作る |
| 背景が変わる | 背景要素の優先順位が低い | 維持条件に場所・光・構図を明記 |
| 文字が崩れる | 動画内で正確な文字を生成 | 空の面を作り編集で文字を追加 |
| 物理が不自然 | 衝突や因果が複雑 | 動作を単純化しショットを分ける |
| 意図と違う寄り方 | zoomとdollyが曖昧 | カメラ位置が動くか明示 |
比較するときの記録
- ツールとモデルの版
- prompt全文
- 入力画像と使用権
- 長さ、比率、解像度、seedなどの設定
- 成功した点と失敗した点
- 次の試行で変えた1項目
一度に主題、カメラ、長さ、スタイルを変えると、改善理由が分かりません。同じpromptを基準に、1項目ずつ比較します。
Sora固有の提供状況や操作はSoraの使い方、一般的な指示の組み立てはプロンプトの書き方も参考になります。
まとめ
AI動画プロンプトは、主題、動き、環境、カメラ、時間の5要素で1ショットを設計します。開始・中間・終了を決め、カメラ動作は1つに絞ります。
複雑な場面は短いショットへ分け、同じ設定で1項目ずつ比較してください。生成時に不安定な文字や長い連続性は、動画編集との役割分担も検討します。