プロンプトとは、AIに出す指示文のことです。ChatGPT、Gemini、Claude、Copilotなどの生成AIは、同じ内容を頼んでも、指示の書き方で回答の使いやすさが大きく変わります。
ただし、プロンプトは難しい呪文ではありません。大切なのは、何をしてほしいか、どんな前提か、どんな条件か、どんな形で出してほしいかを、AIが迷わないように書くことです。
この記事では、プロンプトの書き方を初心者向けに整理します。コピペ用の例文集ではなく、ChatGPT、Gemini、Claude、Copilotなどで共通して使える指示文の基本、失敗しやすい書き方、改善手順、安全に使う注意点をまとめます。
この記事の内容は、2026年7月8日時点のOpenAI、Anthropic、Googleの公式情報をもとにしています。AIのモデルや機能は変わりやすいため、仕事や公開物に使う場合は、AIの回答を必ず人間が確認してください。
結論:よいプロンプトは「目的・前提・条件・出力形式・確認」が入っている
よいプロンプトは、長い文章ではなく、必要な情報が整理された指示文です。
まずは次の5つを入れると、AIの回答が安定しやすくなります。
| 要素 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 目的 | 何をしてほしいか | ブログ記事の構成を作る |
| 前提 | 読者、状況、使う場面 | 生成AIを初めて使う個人事業主向け |
| 条件 | 入れる内容、避ける内容、トーン、文字数 | 専門用語は少なめ、表で整理 |
| 出力形式 | 表、箇条書き、見出し、文章、JSONなど | H2見出しと要点を表で出す |
| 確認 | 不明点、注意点、出典、チェック観点 | 不確かな点は分けて書く |
OpenAIのプロンプト作成ガイドでも、明確で具体的に依頼すること、必要な文脈を渡すこと、回答を見ながら改善することが推奨されています。
プロンプトとは
プロンプトとは、AIに対する依頼文、質問文、指示文のことです。
たとえば、次のような文章がプロンプトです。
次の文章を、初心者向けに3行で要約してください。
あなたはWeb制作に詳しい編集者です。
CSS Gridを初めて学ぶ人向けに、記事構成を作ってください。
このコードのエラー原因を調べてください。
まず原因候補を3つ出し、そのあと修正案を説明してください。
プロンプトの役割は、AIに「作業の目的」と「期待する出力」を伝えることです。人に仕事を頼むときと同じで、曖昧な依頼ほど、返ってくる答えも曖昧になります。
悪いプロンプトと良いプロンプトの違い
プロンプトがうまくいかないときは、AIが悪いというより、AIに渡している情報が足りない場合があります。
| 悪い例 | 何が足りないか | 良い例 |
|---|---|---|
| いい感じに文章を書いて | 目的、読者、トーン、文字数がない | 初心者向けブログの導入文を300字で、やさしい口調で書いて |
| これを要約して | どの長さで、何を重視するかがない | 結論、重要ポイント、あとで確認する点に分けて要約して |
| このコードを直して | 期待する動作、エラー、変更範囲がない | エラー原因を説明し、最小限の修正案を出して。まだ編集はしないで |
| SEOに強くして | キーワード、読者、記事目的がない | キーワード、検索意図、読者の悩みを整理し、H2構成を作って |
良いプロンプトは、AIに考えさせる前に、判断材料を渡しています。AIに丸投げするのではなく、作業の枠を作ってから頼むイメージです。
基本テンプレート
迷ったら、次の形を使います。
あなたは[役割]です。
[目的]をしてください。
前提:
- [読者・対象者]
- [使う場面]
- [現在の状況]
条件:
- [入れてほしい内容]
- [避けたい内容]
- [文字数やトーン]
出力形式:
- [表 / 箇条書き / 見出し / 文章 / JSONなど]
確認:
- [不明点は分ける]
- [事実と推測を分ける]
- [最後にチェックリストを出す]
全部を毎回入れる必要はありません。軽い相談なら短く、仕事や公開物に使うなら詳しく書く、という使い分けで大丈夫です。
目的をはっきり書く
プロンプトで最初に決めるのは、目的です。
目的が曖昧だと、AIは「説明すればいいのか」「要約すればいいのか」「文章を作ればいいのか」「比較すればいいのか」を判断しづらくなります。
目的は、動詞で書くと伝わりやすいです。
- 説明してください
- 要約してください
- 比較してください
- 下書きを作ってください
- 改善してください
- レビューしてください
- 原因を調べてください
- 手順を整理してください
目的が曖昧な例
生成AIについて教えて。
目的が明確な例
生成AIとは何かを、初心者向けに300字で説明してください。
最後に、仕事で使うときの注意点を2つ入れてください。
目的を先に書くだけで、回答の方向が揃いやすくなります。
前提と文脈を渡す
AIは、こちらの状況を知りません。だからこそ、読者、目的、使う場面、現在の状態を渡すと回答が良くなります。
OpenAIの公式ガイドでも、必要な文脈を渡すことが推奨されています。
前提として入れやすい情報は次のとおりです。
- 対象読者
- 自分の知識レベル
- 使う場面
- 文章の用途
- 前回までの状況
- 制約条件
- 参考にする資料
前提:
- 読者はWordPressを始めたばかりの人
- HTMLとCSSは少し分かる
- この記事はブログ公開用
- 専門用語は使いすぎない
- 既存記事と重複しないようにしたい
文脈を渡すときは、必要な情報だけに絞ります。長すぎる資料をそのまま入れるより、目的と使う範囲を明示したほうが扱いやすくなります。
条件を書く
条件とは、AIに守ってほしいルールです。
たとえば、次のような条件を指定できます。
- 初心者向けにする
- 専門用語を減らす
- 300字以内にする
- です・ます調にする
- 表で整理する
- 誇張表現を避ける
- 事実と推測を分ける
- 不確かな点は不明と書く
条件は多すぎると守りにくくなります。最初は3〜5個に絞り、回答を見て追加するのがおすすめです。
出力形式を指定する
出力形式を指定すると、回答をそのまま使いやすくなります。
よく使う出力形式は次のとおりです。
| 形式 | 向いている用途 |
|---|---|
| 箇条書き | 要点整理、チェックリスト、アイデア出し |
| 表 | 比較、分類、メリット・デメリット整理 |
| 見出し構成 | ブログ、資料、プレゼンの構成作成 |
| 自然な文章 | メール、説明文、導入文、SNS投稿 |
| チェックリスト | 公開前確認、レビュー、品質管理 |
| JSON | データ処理、API連携、構造化出力 |
出力形式:
- 表にしてください
- 列は「項目」「説明」「注意点」
- 最後に初心者向けのまとめを3行で書いてください
JSONやAPI向けの厳密な出力は、通常のプロンプトだけでは崩れる場合があります。AIアプリ開発では、JSON SchemaやStructured Outputsなどの仕組みも検討します。そこは今後の技術記事で扱います。
入力文と指示を分ける
長い文章を要約したり、コードをレビューしたりするときは、指示と対象文を分けます。
OpenAIのAPI向けベストプラクティスでも、指示を先に書き、区切り記号で入力文と分ける方法が紹介されています。
次の文章を要約してください。
条件:
- 3行でまとめる
- 重要な数字は残す
- 不明点は最後に分ける
文章:
"""
[ここに本文を入れる]
"""
コードレビューでも同じです。
次のコードをレビューしてください。
観点:
- バグになりそうな箇所
- 読みにくい箇所
- セキュリティ上の懸念
- テストすべきケース
コード:
"""
[ここにコードを入れる]
"""
区切りを入れると、AIが「どこまでが指示で、どこからが素材か」を判断しやすくなります。
役割を指定する
「あなたはSEOに詳しい編集者です」のように、役割を指定すると回答の観点が揃いやすくなります。
役割の例です。
- Webメディアの編集者
- 初心者向けの講師
- WordPressに詳しいエンジニア
- メール文を添削するビジネス担当者
- セキュリティを重視するコードレビュアー
- 採用担当者
- UXライター
ただし、役割だけでは不十分です。
あなたは優秀な編集者です。
記事を書いてください。
これだけでは、読者、テーマ、条件、出力形式が足りません。
あなたはWebメディアの編集者です。
「プロンプト 書き方」で検索する初心者向けに、記事構成を作ってください。
条件:
- ChatGPT専用ではなく、生成AI全般に使える内容
- H2見出しを10個
- 各見出しに読者が知りたいことを1行で書く
- 最後にFAQを5つ入れる
役割は、目的や条件とセットで使うと効果が出やすくなります。
例を渡す
出力のイメージがある場合は、例を渡すと精度が上がります。
たとえば、メール文のトーンを指定したい場合です。
次のようなトーンで返信文を作ってください。
トーン例:
「ご確認ありがとうございます。いただいた内容をもとに、こちらで再度確認いたします。」
作ってほしい内容:
- 日程調整のお礼
- こちらから候補日を2つ出す
- 相手の都合を優先する
Claudeの公式Prompting best practicesでも、例や構造化を使う考え方が扱われています。AIは「こういう形で出してほしい」という見本があると、近い形式で返しやすくなります。
一度で完成させようとしない
プロンプトは、一度で完成させるより、回答を見ながら直すほうがうまくいきます。
OpenAIの公式ガイドでも、最初のプロンプトから始め、回答を確認し、文言や文脈を調整する反復改善が推奨されています。
よく使う追加指示です。
- もっと初心者向けにしてください
- 専門用語を減らしてください
- 具体例を増やしてください
- 表にしてください
- 論理の流れを整えてください
- 事実と推測を分けてください
- 不確かな点を明示してください
- この回答の問題点を自己レビューしてください
改善の流れは次のようにします。
- 最初のプロンプトを出す
- 回答を見る
- 足りない条件を追加する
- 出力形式を変える
- 最後に事実確認と人間の編集を行う
最初から完璧な指示文を作ろうとしなくて大丈夫です。AIとの会話の中で、少しずつ回答を近づけます。
作業を分けて頼む
複雑な作業は、1回のプロンプトに詰め込みすぎないほうが安全です。
たとえば、ブログ記事を作る場合です。
- 検索意図を整理する
- 記事構成を作る
- 各見出しの要点を出す
- 本文の下書きを作る
- 事実確認リストを作る
- 人間が編集する
一度に「SEOに強い記事を書いて」と頼むより、分けたほうが品質を確認しやすくなります。
コード修正でも同じです。
まず調査だけしてください。
まだコードは変更しないでください。
確認してほしいこと:
- 関連ファイル
- 現在の処理の流れ
- 変更候補
- リスク
- テストすべき箇所
AIに実行や編集を任せる作業ほど、調査、計画、実装、確認を分けましょう。
よくある失敗と直し方
プロンプトがうまくいかないときは、次のように直します。
| 困りごと | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 回答が一般論すぎる | 読者、場面、目的が足りない | 対象読者と使う場面を追加する |
| 文章が硬すぎる | トーン指定がない | やさしい口調、ビジネス向けなどを指定する |
| 長すぎる | 文字数や形式がない | 300字以内、箇条書き5点などを指定する |
| 事実が怪しい | 確認手順がない | 不確かな点、公式情報で確認すべき点を分ける |
| コードを勝手に大きく変える | 変更範囲が広い | 対象ファイル、変更してよい範囲、禁止する変更を書く |
| 形式が崩れる | 出力例がない | 表の列名や見本を渡す |
AIに「この回答のどこが弱いですか」と聞くのも有効です。
今の回答を自己レビューしてください。
観点:
- 目的に合っているか
- 説明が足りない箇所
- 事実確認が必要な箇所
- 読者が迷いそうな箇所
- 改善案
用途別の基本テンプレート
ここでは、考え方を理解するための短いテンプレートだけ載せます。大量のコピペ例文は、ChatGPTプロンプト例文集 に分けています。
文章作成
次の条件で文章の下書きを作ってください。
目的:
読者:
伝えたい内容:
トーン:
文字数:
避けたい表現:
出力形式:
要約
次の文章を要約してください。
目的:
- 短時間で内容を把握したい
出力形式:
- 3行まとめ
- 重要ポイント5つ
- あとで確認する点
文章:
"""
[ここに本文]
"""
調査
「[テーマ]」について調べる前に、論点を整理してください。
出力形式:
- 何を調べるべきか
- なぜ重要か
- 公式情報で確認すべきこと
- 古くなりやすい情報
- 注意すべき誤解
コード相談
次のコードについて相談です。
目的:
期待する動作:
実際の問題:
変更してよい範囲:
実行した確認:
まず原因候補を説明し、次に修正案を出してください。
レビュー
次の文章またはコードをレビューしてください。
観点:
- 目的に合っているか
- 分かりにくい箇所
- リスク
- 改善案
- 公開前に確認すること
ツール別の書き方の違い
基本はどのAIでも同じですが、ツールごとに少し意識する点があります。
| ツール | 意識すること |
|---|---|
| ChatGPT | Projects、ファイル、画像、Canvasなどを使う場合は、作業目的と出力形式を明確にする |
| Gemini | Google連携やGemsでは、役割、目的、望む振る舞い、出力形式を指定する |
| Claude | 長文、資料、コードでは、区切りや見出しを使って文脈を整理する |
| Copilot | Word、Excel、Outlook、Teamsなど、どの仕事データを使うか意識する |
| AIコーディングツール | 作業範囲、編集してよいファイル、テスト、差分確認をセットで指定する |
ツールごとの使い分けは、生成AIツール比較 で整理しています。
仕事で使うときの注意点
プロンプトを書くときは、入力する情報にも注意が必要です。
次の情報は、そのまま入力しないようにしましょう。
- 氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報
- 顧客情報、社員情報、取引先情報
- 会社の未公開資料、契約書、社外秘情報
- パスワード、APIキー、認証情報
- 医療、法律、金融など慎重な判断が必要な内容
- 公開前の商品情報や企画
プロンプトは、できるだけ抽象化して書きます。
悪い例:
株式会社〇〇の顧客Aさんに送る契約更新メールを書いて。
良い例:
取引先に送る契約更新の案内メールを書いてください。
会社名、顧客名、金額は伏せたまま、丁寧な文面にしてください。
生成AIの安全な使い方は、生成AIの安全な使い方 で詳しく整理しています。
プロンプトを管理するコツ
よく使うプロンプトは、メモやドキュメントに保存しておくと便利です。
保存しておくとよいものは次のとおりです。
- 文章作成テンプレート
- 要約テンプレート
- ブログ記事構成テンプレート
- コードレビュー観点
- メール作成テンプレート
- 公開前チェックリスト
- 自分のサイトや会社の表記ルール
OpenAIのPrompt management関連の公式情報では、toneやrole guidanceをSystem messageに、作業固有の内容や例をUser messageに置く考え方も紹介されています。個人利用では、そこまで難しく考えず、まず「よく使う型」を保存するだけでも十分です。
プロンプトは作って終わりではなく、使いながら改善します。
- うまくいったプロンプトを保存する
- 失敗した条件もメモする
- 用途ごとに分ける
- 最新のツール仕様に合わせて見直す
- 仕事用では共有ルールを決める
次に読む記事
目的別に次の記事へ進んでください。
| 知りたいこと | 次に読む記事 |
|---|---|
| ChatGPTで使える例文を見たい | ChatGPTプロンプト例文集 |
| ChatGPTを基本から使いたい | ChatGPTの使い方 |
| 生成AIの全体像を知りたい | 生成AIとは |
| AIツールを比較したい | 生成AIツール比較 |
| AIで安全に仕事をしたい | 生成AIの安全な使い方 |
| AIコーディングでの指示を知りたい | AIコーディングツール比較 |
技術寄りのプロンプトエンジニアリング、システムプロンプト、JSON出力、Structured Outputsは、今後の技術記事で扱う予定です。
よくある質問
プロンプトは長いほうがいいですか?
必ずしも長ければよいわけではありません。目的、前提、条件、出力形式が入っていれば、短くても使いやすい回答になります。複雑な作業は、長いプロンプトに詰め込むより、作業を分けて頼むほうが安全です。
プロンプト例文をそのまま使えば正確な答えになりますか?
いいえ。プロンプトを工夫しても、AIの回答が必ず正確になるわけではありません。重要な情報、数字、日付、法律、医療、金融、料金、製品仕様は、公式情報や専門家で確認してください。
ChatGPTとGeminiとClaudeでプロンプトは変えるべきですか?
基本の考え方は同じです。目的、前提、条件、出力形式を入れる点は共通しています。ただし、各ツールの得意分野や機能が違うため、ファイル、Web検索、Google連携、長文、コードなどではツールに合わせて少し調整します。
プロンプトエンジニアリングとは何が違いますか?
この記事は、一般利用者向けのプロンプトの書き方です。プロンプトエンジニアリングは、AIアプリ開発、システムプロンプト、出力形式の固定、評価、ツール呼び出しなども含む、より技術的な設計を指す場合があります。
AIが指示を守らないときはどうすればいいですか?
条件を短く整理し、優先順位をつけ、出力例を渡します。また、「守れない条件があれば先に教えてください」と書くのも有効です。複雑な作業は、1回で終わらせず段階に分けて依頼します。
仕事用のプロンプトは保存してもいいですか?
会社のルール次第です。プロンプト自体に顧客情報、社外秘情報、契約内容、個人情報が含まれる場合があります。共有・保存する前に、社内ルールと情報管理の扱いを確認してください。
参考リンク
この記事では、次の公式情報を確認しました。
- OpenAI Help – Prompt engineering best practices for ChatGPT
- OpenAI Help – How do I create a good prompt for an AI model?
- OpenAI Help – Best practices for prompt engineering with the OpenAI API
- OpenAI Help – Prompt management in Playground
- Anthropic Docs – Prompt engineering overview
- Anthropic Docs – Prompting best practices
- Anthropic Docs – Console prompting tools
- Google Gemini Apps Help – Tips for creating custom Gems
- Google Gemini Apps Help – Use Gemini Apps
- Google Gemini Apps Help – Check Gemini responses
まとめ
プロンプトの書き方で大切なのは、特別な言い回しを覚えることではありません。目的、前提、条件、出力形式、確認してほしいことを整理して伝えることです。
最初から完璧なプロンプトを作る必要はありません。まず短く頼み、回答を見て、足りない文脈や条件を追加しながら改善していきます。
仕事や公開物に使う場合は、AIの回答をそのまま使わず、人間が事実確認、表現調整、権利や情報管理の確認を行いましょう。