Search ConsoleをAIで分析するときは、CSVを渡して自由に感想を求めるのではなく、期間、dimension、filter、計算式、根拠行を固定します。クリック減少、表示増加に対するCTR低下、掲載順位の変化を候補として抽出し、元データへ戻って確認します。
この記事では、CSVの準備、集計の注意点、分析プロンプト、改善タスクへの変換までを具体例で解説します。
情報確認日:2026年7月18日(日本時間)
結論:AIには「候補抽出」を任せ、数値と原因は人が検証する
- 比較する期間とfilterを固定してCSVを出す
- 列名、日付、URL、欠損値を正規化する
- 件数と加重CTRを正しく再集計する
- 改善候補へ根拠行と仮説を付ける
- Search Consoleとページを確認し、施策と再評価日を決める
1.Search Consoleから分析用CSVを出す
Performance reportで対象を決め、ExportからCSVなどの形式を選びます。次の条件を分析メモへ残してください。
- Search type
- 対象期間と比較期間
- query、page、date、deviceなどのdimension
- country、device、search appearanceなどのfilter
- export日時と対象property
query単位とpage単位を一つの表へ無理に混ぜず、問いに合う粒度で出力します。たとえば「どの記事を直すか」はpage、「どの検索意図を逃しているか」はqueryとpageの組み合わせが役立ちます。
Search Consoleデータの注意点
| 注意点 | 分析への影響 |
|---|---|
| 行数上限 | exportされた行が全queryの完全一覧とは限らない |
| 匿名化query | privacy保護のため表に出ないqueryがある |
| canonical集約 | pageデータはcanonical URLへ集約される場合がある |
| average position | 単純な順位追跡値として扱わない |
| 最新データ | 確定前の値や遅延を考慮する |
CSVの行合計と画面上のtotalが一致しなくても、すぐエラーとは限りません。公式ヘルプの集計ルールを確認し、AIへも「完全明細ではない可能性」を伝えます。
2.分析しやすいschemaへ揃える
次は説明用の架空データです。実データではありません。
period,query,page,device,clicks,impressions,ctr,position
previous,ollama 使い方,/articles/ollama/,mobile,80,1000,0.080,6.2
current,ollama 使い方,/articles/ollama/,mobile,84,1400,0.060,6.0
previous,ai テスト 作成,/articles/ai-test/,desktop,45,600,0.075,8.1
current,ai テスト 作成,/articles/ai-test/,desktop,30,620,0.048,9.7
列は半角英数字へ揃え、CTRは小数か百分率のどちらかへ統一します。URLの末尾slash、http/https、parameterも正規化します。
CTRの集計:行ごとのCTRを単純平均せず、合計clicks ÷ 合計impressionsで計算します。表示回数の多い行と少ない行を同じ重みで平均すると誤ります。
3.AIへ分析させるプロンプト
このCSVはSearch Consoleの比較用データです。
目的:
改善候補を抽出し、元データで再確認できる表を作る。
ルール:
- currentとpreviousを同じquery・page・deviceで比較
- clicks差、impressions差、CTR差、position差を計算
- CTRはclicks / impressionsで再計算
- 原因を断定せず「仮説」と表示
- 各候補へ根拠となるCSV行を付ける
- データにない検索意図や競合状況を創作しない
- 母数が小さい行はlow-sampleと表示
分類:
1. 表示増・CTR低下
2. 表示減
3. position低下
4. 新規query
5. 改善
出力列:
priority,classification,query,page,device,
clicks_delta,impressions_delta,ctr_delta,position_delta,
evidence,hypothesis,next_check
しきい値はサイト規模に合わせます。数クリックの変動を大問題にせず、表示回数と事業上の重要度を一緒に見ます。
4.分析結果を根拠行で検証する
| 候補 | 確認すること | 断定しないこと |
|---|---|---|
| 表示増・CTR低下 | query別、device別、検索結果の見え方 | titleだけが原因 |
| position低下 | 期間、page、query、技術的問題 | algorithm updateが原因 |
| click減・表示横ばい | CTR、検索意図、SERP変化 | 記事品質だけが原因 |
| 新規query | 継続性とpageとの一致 | 新需要が確定した |
AIの計算値を表計算でも再計算し、Search Console画面で同じfilterを適用して確認します。ページのindex状態、canonical、更新履歴も合わせて見ます。
5.改善タスクへ変換する
task_id: SEO-042
page: /articles/example/
query_cluster: ollama 初期設定
evidence:
- mobile impressions: 1000 → 1400
- mobile CTR: 8.0% → 6.0%
hypothesis:
- 検索意図に対して導入手順が見つけにくい可能性
checks:
- query別の変化
- 実際の検索結果
- titleと導入見出し
action:
- 初期設定表とtroubleshooting導線を改善
owner: editor
review_date: 2026-08-15
title変更のような施策も一度に複数ページへ適用せず、変更日と対象を記録します。再評価は検索データが十分にたまる期間を置きます。
AI分析に向くこと・向かないこと
| 向くこと | 人が確認すること |
|---|---|
| 列の正規化案 | 元データを壊していないか |
| 差分計算と候補抽出 | 式、母数、filter |
| queryの仮cluster | 実際の検索意図 |
| 報告書の雛形 | 原因と施策の妥当性 |
| 次の確認項目 | 優先度と担当 |
キーワードを記事へ割り当てる方法はAIを使ったSEOキーワード調査、検索環境全体の考え方はAI検索時代のSEO・GEOを参照してください。
よくある質問
Search ConsoleのCSVをそのまま外部AIへ送ってよいですか?
組織のデータ取扱規程を確認します。非公開URL、query、property情報が含まれるため、必要な列と期間だけに絞り、許可された環境を使います。
AIが原因まで特定できますか?
CSVだけでは原因を確定できません。変化の候補と仮説を作り、検索結果、ページ、技術状態、更新履歴を人が確認します。
毎日分析すべきですか?
サイト規模と目的によります。日次は大きな異常、週次・月次はqueryやpageの傾向など、変動幅に合わせて分けます。記事作成の工程はAIでブログ記事を書く方法も参考になります。
まとめ
Search ConsoleをAIで分析するときは、期間、dimension、filterを記録し、CTRを合計clicks ÷ 合計impressionsで再計算します。AIの役割は大量行から候補を見つけることで、原因の断定ではありません。
各候補に元CSVの根拠、仮説、次の確認、担当、再評価日を付ければ、分析を実行可能なSEOタスクへ変換できます。