AIで作った記事をファクトチェックするときは、文章全体を「正しいか」と眺めるのではなく、検証可能な主張へ分解し、出典、確認日、該当箇所、判定を記録します。
この記事では、数値・日付・固有名詞・製品機能・引用を優先して確認し、verified、incorrect、unclear、outdatedの4状態で管理する方法を解説します。
情報確認日:2026年7月18日(日本時間)
結論:主張と根拠を1対1で追える台帳を作る
- 記事から検証可能な主張を抜き出す
- 影響度と変わりやすさで優先順位を付ける
- 一次情報を起点に該当箇所まで確認する
- 判定と修正内容を主張台帳へ残す
- 未解決事項は削除・限定表現・専門家確認に分ける
1.検証する主張を抜き出す
次の要素は、誤りがあっても自然な文章に見えやすいため、明示的にマークします。
- 数値:価格、割合、性能、件数、上限
- 日付:発売日、更新日、制度の施行日
- 固有名詞:会社、人物、製品、API、規格
- 機能・仕様:対応OS、利用条件、入力上限
- 引用:発言者、原文、文脈
- 因果関係:「AのためBになった」という説明
- 最上級:初、最大、唯一、必ず
感想や編集上の提案は事実主張と分けます。「使いやすい」は評価ですが、「3クリックで完了する」は検証可能な主張です。
2.影響度と鮮度で優先順位を付ける
| 優先度 | 代表例 | 理由 |
|---|---|---|
| 最優先 | 法律、医療、金融、安全、契約 | 誤りによる損害が大きい |
| 高 | 価格、在庫、API仕様、対応環境 | 変化が速く行動へ直結する |
| 中 | 発売経緯、比較、統計 | 文脈と定義の確認が必要 |
| 通常 | 一般的な手順、用語説明 | 安定していても出典を確認する |
全主張を同じ時間で確認せず、読者の購入・契約・健康・業務判断を左右する箇所から始めます。
3.一次情報を優先する
| 主張 | 優先する情報源 | 補助情報 |
|---|---|---|
| 製品仕様・価格 | 提供元の公式product・docs | 販売店、報道 |
| 法律・制度 | 法令、所管官庁、公的機関 | 専門家解説 |
| 研究結果 | 原著論文、dataset、著者資料 | review、報道 |
| 企業発表 | 公式発表、filing、support | 報道、分析 |
| 引用 | 動画、議事録、原文 | 転載、要約 |
検索結果の要約やAIの回答は、出典候補を探す入口にはなりますが証拠そのものではありません。リンク先を開き、主張を直接支える記載があるか確認します。
4.主張・根拠台帳を作る
claim_id,claim,impact,source_url,source_date,checked_at,location,status,action,owner
C-001,価格は月額X円,high,公式URL,2026-07-01,2026-07-18,料金表,verified,確認日を追記,編集
C-002,Windowsに対応,high,公式URL,,2026-07-18,要件欄,verified,なし,編集
C-003,業界初の機能,medium,,,2026-07-18,,unclear,削除,編集
C-004,旧APIは廃止済み,high,公式URL,2026-06-10,2026-07-18,migration,outdated,現行表現へ修正,開発
| status | 意味 | 処理 |
|---|---|---|
| verified | 根拠が直接確認できた | 出典と確認日を残す |
| incorrect | 根拠と矛盾する | 修正し再確認する |
| unclear | 十分な根拠がない | 削除、限定表現、担当確認 |
| outdated | 以前は正しいが現状と違う | 現行情報へ更新する |
URLだけではなく、見出し、表、節、ページ番号など該当箇所を残します。更新で内容が変わるページには確認日も必要です。
コマンドの定義と実行した結果を分ける
「buildが通ったので、記事も公開され、スマートフォンでも正しく表示されます」という説明には、複数の確認が含まれています。コマンドが何をするか、実行したか、成功したか、公開画面が正しいかを分けてください。
| 確かめたい主張 | 対応する根拠 |
|---|---|
| コマンドが何を確認するか | スクリプトの定義と呼び出す処理 |
| その処理を実行したか | 対象と時点が分かる実行記録 |
| その処理が成功したか | 終了結果と必要なログ |
| 公開先で正しく表示されるか | 対象URL・版・条件をそろえた画面や操作の確認 |
たとえば、buildがテーマの検査を呼び、記事本文の検査と公開反映を別に行う構成なら、テーマの検査結果だけでは残りの確認を済ませたことにはできません。これは仕組みを説明するための構成例です。特定の作業の実行成功や公開を確認した事例ではありません。
手元の記録がどの主張を支えるのかを、上の主張・根拠台帳へ対応させます。実行したという主張の根拠が足りなければ、既存の判定であるunclearとして記録し、必要な記録を確かめてください。記録の不足だけで、実行していないと断定することも避けます。一つの根拠が見つかっても、残りの主張までまとめて確認済みにはしません。
仕様値、計算値、実測値も分けます。仕様なら対象製品と版、計算なら入力・単位・式、実測なら環境と操作条件が必要です。仕様表に容量が書かれていても、特定の処理がその条件で動いた記録とは区別してください。
5.AIを補助に使うプロンプト
気になる一文から確認を始める依頼文
[気になる主張]には「このサービスは無料で使える」のような、確認したい一文をそのまま貼ります。サービス名と記事のURLも添えてください。出典が見当たらなければ「なし」で始められます。
[ ]を埋めて、コピーして使ってください。不明な項目は「不明」で構いません。
記事中の次の主張について、根拠を確認する手伝いをしてください。記事本文の書き換えはまだしないでください。
気になる主張:[確認したい一文をそのまま貼る]
前後の文章:[意味が分かる範囲を貼る]
対象の記事:[URL・記事名]
挙がっている出典:[URL・資料名。見当たらなければ「なし」]
この主張を確かめるには、対象・時点・条件の何を確認すればよいか整理してください。確認に必要な一次情報を挙げ、実際に資料を開けた場合は、主張を支える記載とその場所を示してください。
URLや引用は作らないでください。資料を開けない場合は、推測で判定せず、私が開く資料と探す箇所を教えてください。
根拠を確認できた範囲で、verified(確認できた)、incorrect(矛盾する)、unclear(根拠が不足)、outdated(現状と違う)を使い、理由を添えてください。AIの判定だけで確定せず、私が元資料を照合できる形にしてください。
最後に、未確認の点と次に確認することを示してください。
返答を受け取ったら:AIの判定だけで終えず、自分でも元資料の該当箇所を開きます。主張と資料で、対象・日付・条件がそろっているかを見てから記事へ反映してください。
AIには主張抽出や台帳整形を任せられますが、URLの実在、該当箇所、更新日は人が一次情報で確認します。
出典名ではなく、主張の条件まで照合する
例えば「下書き用のアカウントは公開できない」という文なら、投稿状態をdraftにしただけか、公開権限も外したのかを分けます。公式の役割名、実際の権限、拒否された操作を、一つの主張へ対応させてください。
資料にある一般的な機能、計算から出た試算、Devsが実行した結果、まだ試していない設計を混ぜないようにします。実測に対応するログがない場合は「確認済み」の言い換えで埋めず、仕様や提案として書きます。
確認できない主張の扱い
- 不要なら削除:記事の結論に影響しない最上級など
- 限定する:「公式ページで確認できる範囲では」など範囲を明示
- 不明と書く:再販日など未発表情報を推測しない
- 担当者へ確認:社内仕様や取材内容
- 専門家review:法律、医療、税務、投資判断に関わる内容
曖昧な主張へそれらしい出典を付けるより、確認できないと明示する方が読者に誠実です。
公開前チェックリスト
- タイトルと結論の主要主張がverifiedか
- 価格、日付、機能に確認日があるか
- 引用が原文の意味を変えていないか
- 出典が主張を直接支えているか
- 一次情報と補助情報を区別したか
- unclearを断定表現のまま残していないか
- 専門領域のreviewが完了したか
- 更新責任者と再確認条件があるか
編集承認をチームで運用する場合はAI・SEO記事の編集承認フローを参照してください。
よくある質問
公式サイトなら必ず正しいですか?
その提供元の仕様や発表を確認する一次情報として優先できますが、更新遅れや表現の範囲に注意します。複数主体に関わる主張は各当事者の情報も確認します。
出典を付ければファクトチェック済みですか?
いいえ。出典が主張を直接支えるか、日付と定義が合うか、文脈を切り取っていないかを確認します。
AI記事だけ特別な確認が必要ですか?
人が書いた記事にも必要です。AIは自然な誤情報や架空の出典を出す可能性があるため、主張抽出を機械的に行う価値が高まります。安全な使い方はAIを安全に使う方法も参考になります。
まとめ
AI記事のファクトチェックは、検証可能な主張を抜き出し、影響度と鮮度で優先し、一次情報の該当箇所まで確認する工程です。判定、出典、確認日、修正を主張台帳へ残してください。
AIには抽出と整形を任せ、真偽の最終判断は根拠を読んだ人が行います。記事制作全体はAIでブログ記事を書く方法で解説しています。