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ローカルLLMに必要なPCスペック|GPU・VRAM・統合メモリの選び方

ローカルLLMのモデル規模・量子化・contextによるメモリの考え方、GPUと統合メモリの違い、用途別の選び方、購入前チェックを解説します。

この記事の目次
  1. 結論:モデル・量子化・contextから逆算する
  2. 重みメモリを概算する
  3. 量子化で何が変わるか
  4. context長がmemoryを増やす理由
  5. VRAM・RAM・統合メモリの違い
  6. Discrete GPUとVRAM
  7. Apple Siliconなどの統合メモリ
  8. CPUとsystem RAM
  9. 用途別に必要条件を決める
  10. 購入前チェックシート
  11. 簡易見積もり表の作り方
  12. よくある失敗
  13. まとめ

ローカルLLM用PCで最初に見る項目は、CPU名より「使いたいモデルがVRAMまたは統合メモリへ収まるか」です。モデルのparameter数、量子化、context長、同時実行数によって必要量が変わります。

「7Bなら何GBで動く」という表は、重みだけの概算にすぎません。実行時にはKV cache、activation、runtime overhead、OSや他アプリのメモリが加わります。

この記事では、重みメモリの計算、GPU・VRAM・統合メモリの違い、用途別の選び方、購入前チェックシートを解説します。

情報確認日:2026年7月17日(日本時間)

結論:モデル・量子化・contextから逆算する

1. 使いたい用途を決める
2. 候補modelと量子化を決める
3. weightの理論memoryを計算する
4. context・KV cache・runtimeの余裕を加える
5. 実際のmodel fileとruntime表示を確認する
6. 速度と品質を自分の入力で測る
7. 余裕を持つ構成だけを購入候補にする
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重みメモリを概算する

単純化した理論値は次の式です。

weight memory(byte)≒ parameter数 × 1 parameterあたりのbit数 ÷ 8
モデル規模 16-bit重み 8-bit重み 4-bit重み
3B 約6GB 約3GB 約1.5GB
7B 約14GB 約7GB 約3.5GB
14B 約28GB 約14GB 約7GB
32B 約64GB 約32GB 約16GB
70B 約140GB 約70GB 約35GB

表の注意:上記はparameter数とbit数だけで計算したweightの理論値です。量子化metadata、KV cache、activation、runtime、画像encoder、OS、他アプリ、同時実行分は含みません。購入判断へそのまま使わないでください。

量子化で何が変わるか

量子化は、重みを少ないbitで表現してmemoryと通信量を減らす方法です。一般に16-bitから8-bit、4-bitへ下げるほどweightは小さくなりますが、品質、速度、対応hardwareは方式ごとに異なります。

観点 確認
品質 自分の評価入力で原版との差を測る
memory model fileとruntimeの実測を確認
速度 prompt処理と生成token/秒を別々に測る
互換性 GPU、runtime、model architectureの対応
format GGUF等のformatと量子化名を記録

context長がmemoryを増やす理由

LLMは入力と生成途中の情報をKV cacheへ保持します。contextを長くするほどcacheが増え、同じmodel・量子化でも必要memoryが増えます。複数sessionを同時に動かす場合はsessionごとのcacheも考慮します。

Ollamaの公式例でも、同じ12B modelで128K contextを使う構成が20GBを超えるVRAMを使用しています。最大contextを常に使わず、実際の文書・会話長に合わせます。

増える要素 影響
context length KV cacheが増える
batch・同時session cacheと作業領域が増える
画像入力 vision encoder等のmemoryが加わる
複数model常駐 各modelのweightとcacheが必要
agent・coding 長いtool schemaと履歴でcontextが増える

VRAM・RAM・統合メモリの違い

Discrete GPUとVRAM

GPU専用memoryへmodelを収めると高速に実行しやすくなります。VRAMを超えた部分をsystem RAMへoffloadできるruntimeもありますが、転送やCPU処理で速度が落ちる場合があります。

Apple Siliconなどの統合メモリ

CPUとGPUが同じmemory poolを共有します。大きなmodelへ使える利点がありますが、表示、OS、他アプリも同じmemoryを使います。「搭載量すべてをmodelへ使える」わけではありません。

CPUとsystem RAM

GPUなしでも対応runtimeで推論できます。modelを大きなRAMへ置けても、生成速度が用途に合うかは別です。購入前に同等環境でtoken/秒と待ち時間を試します。

構成 強み 注意
Discrete GPU 対応modelで高速化しやすい VRAM上限、電力、driver
統合メモリ 大きな共有poolをGPUが利用 OS・他appと競合、増設不可の場合
CPU+RAM 大容量RAMを選びやすい 速度が低い可能性
複数GPU 大modelを分割できる場合 software対応、帯域、電力、複雑性

用途別に必要条件を決める

用途 優先 評価入力
短いchat・要約 小型model、応答開始の速さ 普段の10問
coding agent 長いcontext、tool、生成速度 実repositoryの代表task
長文RAG 検索品質と必要context 文書と質問30件
画像入力 vision対応と追加memory 実画像と期待回答
複数利用者 同時session、queue、監視 想定concurrencyのload test

購入前チェックシート

  1. 用途を1つ以上の実taskで定義した
  2. 候補modelの正確な名前・版・parameter数を確認した
  3. 使う量子化formatを決めた
  4. model fileの実sizeを確認した
  5. runtimeの対応OS・GPU・driverを確認した
  6. 必要contextを実際の入力から測った
  7. KV cacheとruntime overheadの余裕を見た
  8. OS・browser・editor用memoryを残した
  9. 画像・embedding・rerankerの追加memoryを確認した
  10. 同時session数を決めた
  11. prompt処理速度と生成速度を別々に測った
  12. first tokenまでの時間を測った
  13. 同じ評価入力で品質を比較した
  14. 長時間load時の温度・騒音・電力を確認した
  15. storage容量とmodel更新分の余裕がある
  16. GPU・memoryを後から増設できるか確認した
  17. 購入候補と同等環境でdemoを試した
  18. cloud APIとの総費用を比較した
  19. 必要性能を満たさない場合のfallbackがある
  20. 購入直前にmodel・runtime・hardware仕様を再確認した

簡易見積もり表の作り方

候補model:
parameter数:
量子化:
weight理論値:
model file実size:
context:
runtime表示の必要memory:
OS・他appの余裕:
同時session:
実測token/秒:
first token:
評価score:
購入判断:

weight理論値だけで判定せず、候補modelを同じruntimeで読み込んだ実表示を優先します。LM Studioの公式requirementsでは、一般的な目安として16GB RAMが推奨され、Windowsでは4GB以上のdedicated VRAMが推奨されていますが、これは大modelが快適に動く保証ではありません。

よくある失敗

  • parameter数だけで必要memoryを決める
  • 最大contextを使わないのに、そのためだけに過剰構成にする
  • modelが読み込めることと快適な速度を混同する
  • 統合メモリ全量をmodelへ使えると考える
  • 画像・agent・複数sessionの追加memoryを忘れる
  • 量子化による品質差を評価しない
  • 特定benchmarkだけで購入する

ローカルLLM自体の構成やクラウドとの違いから確認したい場合は、AIの基本も参考になります。

まとめ

ローカルLLM用PCは、model、量子化、context、同時実行から必要memoryを逆算します。parameter×bitの式はweightだけの理論値で、実際にはKV cache、activation、runtime、OSの余裕が必要です。

VRAM容量だけでなく、実際のtaskに対する品質、first token、生成速度、電力、騒音、増設性、cloudとの総費用を比較し、購入直前に現行仕様を再確認してください。

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