プロンプトテクニック: Few-Shot Prompting / Zero-Shot Prompting
プロンプトテクニックとは、人工知能(AI)に指示を出す方法の一つです。今回は、中学生でも理解できるように、"Few-Shot Prompting"(フューショット・プロンプティング)と"Zero-Shot Prompting"(ゼロショット・プロンプティング)について説明します。
Few-Shot Prompting(フューショット・プロンプティング)
Few-Shot Promptingは、AIに対して例を与えて、指示を出す方法です。
具体例は以下のような感じです。
文章から匂いを想像してください。
例
壊れた車にのる:臭い
泥水のついた靴:臭い
つまらないジョーク:臭い
こたつに入る:良い香り
退屈な社長のスピーチ:
すると、回答はこうなりました。
「退屈な社長のスピーチ: 無臭」
この文では、「退屈な社長のスピーチ」が「無臭」と表現されています。通常、興味深いスピーチやプレゼンテーションは新鮮で魅力的なアイデアや情報を提供し、良い香りがすると感じられることがあります。しかし、「退屈な社長のスピーチ」は何も新しいアイデアや情報を提供せず、そのため特定の臭いを連想させない、つまり「無臭」と表現されています。このようなスピーチは魅力を感じ難く、匂いがしないような印象を与えることがあります。
Zero-Shot Prompting(ゼロショット・プロンプティング)
Zero-Shot Promptingは、AIに対して何の情報も与えずにタスクを実行させる方法です。つまり、AIが新しいことを知らなくても、与えられた指示を理解し、遂行することが求められAIの想像力を活用します。
これには、悪い例と良い例があります。
Zero-Shot Promptingの悪い例
文章から匂いを想像してください。
退屈な社長のスピーチ:
回答はこんなかんじです。
退屈な社長のスピーチから感じる匂いは、古びた紙や書類、革の椅子から発するレザーの匂い、そして長時間の会議室での人々の息遣いや体臭の混ざり合った匂いかもしれません。また、スピーチが退屈であることから、興味を失った人々がため息をつく音や、時折聞こえる咳払いの音も匂いの一部として感じられるかもしれません。総じて、この匂いは活気のない、重苦しい雰囲気を思い浮かべさせるかもしれません。
悪くはないんですけど、聞きたかったのは、「臭い」とか「無臭」とかそういう回答を求めていた場合、期待とズレが生じます。このような場合は、上のFew-Shot Promptingを活用するか、Zero-Shot Promptingでも要件を定義してプロンプトを具体化する必要があります。
文章から匂いを想像してください。
そして、匂いを表す形容詞を想像してそれだけで回答してください。
退屈な社長のスピーチ:
以下が回答です。
腐った。
なかなか笑えますね。
Zero-Shot Promptingの良い例
上の改良後もZero-Shot Promptingの良い例ですが、AIの想像を使うという意味では以下のようなプロンプトも良い例です。
銀河系の各惑星を匂いに喩えて説明してください。そして表にまとめてください。
そして回答です。
以下は、銀河系の各惑星を匂いに喩えて説明したものです。表にまとめています。
惑星 匂いの喩え 水星 焼けた岩や鉄の匂い、灼熱の表面から放射される熱 金星 窒息感のある、硫黄と酸っぱい雲の匂い 地球 新鮮な大自然、森林、海の潮風の匂い 火星 乾燥した砂漠の土の匂い、微かに鉄の香り 木星 巨大なガスの大気からくる風味、微かな甘さ 土星 氷の環とガスの雲からの柔らかな甘さ 天王星 氷の大気がもたらす冷たい清涼感 海王星 寒さと海洋の香り、海藻や潮の匂い 冥王星 凍った岩石と氷の冷たい風味 これらの喩えは、各惑星の特徴的な性質や大気の組成に基づいています。それぞれの惑星は独自の匂いを持つでしょう。
まとめ
Few-Shot Promptingは少し例を与える方法で、その例からAIの連想力を活用します。一方、Zero-Shot Promptingは全く例を与えずにAIにタスクを実行させる方法です。どちらも、AIに対して指示を出す面白い方法であり、AIの能力向上に貢献しています。これらのテクニックを通じてAIの仕組みを理解し、新しいアイデアを考えることができるでしょう。